映画監督の市川崑さん死去

私はこの監督が大映でメガホンを取った映画、中でも「ぼんち」という市川雷蔵主演の映画がとても好きです。原作を先に読んでしまった場合、映画が原作の評価を超えることは少ないのだけど、この小説に関しては断然映画の方が良いと感じました。笑いを誘うテンポのいい演出(毛利菊枝山田五十鈴の大姑+姑コンビの仕打ちに対して初々しい嫁・中村玉緒が大根をぶった切るシーンなどは爆笑ですわ)(日傘をさしてすまして歩くちゃっかりした女。若尾文子!本家で挨拶するシーンは見物です)、気の利いた台詞、細部まで気配りが行き届いた衣装やセット、抜群なキャスティング、洒落たオープニング、どこを切り取っても美しいカット。
1時間半ほどの時間を感じず、監督の美意識とユーモアを十分に堪能できます。もちろん今でも好きな映画のNo.1です。ああ、ご冥福を祈ります。